夏の学会(その1)

8月から9月に学生の学会発表が集中しました。まずは8月のD&D2015. これは日本機械学会機械力学・計測制御部門の年次大会です。今年は弘前大学(青森県弘前市)が会場でした。 http://www.jsme.or.jp/conference/dmcconf15/

 

まずはM2長尾君。

「等速移動するサブ構造物を有する1次元周期構造物の波動解析」

鉄道架線とパンタグラフの連成系を対象とした研究です。架線のような1次元周期構造物上を等速で移動するサブ構造物(パンタグラフ)が生起する波動応答と両者間に発生する接触力変動を解析するための系統的な手法を開発しようとしています。ラプラス領域において要素毎に定義した波動成分を状態量として捉え、系全体の波動成分をシステマティックに関連付けて一度に解き、逆ラプラス変換を施すという操作を繰り返すことにより、時変かつ無限長複雑構造の解析を可能にします。(続きあり)

増田から。

「双安定振動子を用いた非線形動吸振器の設計」

振動する物体にさらに振動する物体を乗せることによって、もとの物体の振動を低減することができます。もとの物体を主系、後から乗せた方を動吸振器といいます。通常の動吸振器は主系に合わせて最適調整して設計するのですが、主系の特性が変化すると性能が大幅に悪化してしまいます。この研究は、主系の特性変動に対してロバストな動吸振器を、非線形性の導入によって達成しようとするものです。等価線形化法を用いた解析の結果、ソフトニング性を持った非線形振動子が有用であることを示しました。

M2古川君です。

「近距離場音波浮揚による平板の非接触加振と損傷検知への応用可能性」

超音波振動する振動板の上に別の平板を浮かせる近距離場音波浮揚を用いて、平板の損傷検知を行おうとしています。本報告では、振動板の振動を低周波数で振幅変調させることによって浮揚板を非接触加振し、その際の浮揚版の超音波振動の振幅変調を調べることによって損傷を検知します。