行列のできるラーメン店

昨夜,夜間講義のあと訪れたラーメン店を紹介しよう。店の名は亜喜英(あきひで)。

http://akihide.main.jp/

ここはエリア外の客には障壁の高い店だ。まず,駐車場,駐輪場といったものがない。店の内外を問わず徒歩で来店を呼びかける張り紙がこれでもかと貼ってあ る。最寄りに一乗寺北大丸町のバス停があるので31系統のバスで四条烏丸から来るか,高野までバスで来て15分ばかり歩くか,リッチにタクシーで乗り付け るか,ということになる。そして基本的に夜営業(19時〜)のみである。一番やっかいなことは,この店は不定休なのだ。一応ホームページで営業する日は当 日(!)告知が上がることにはなっているが,一時期はずっと休みだったような。商売としてどうなの?という向きもあるが,まあこれもこの店の個性である。

店はL字のカウンター(9席)のみでキャパは狭く,ご夫婦が二人で切り盛りされている。ご主人はラーメン担当,奥さんは唐揚げ担当で,お二人とも失礼ながら真ん丸の福々しいお顔。

メニューはラーメン,唐揚げ,ライス,のみという潔さ。実は以前はラーメンも2種類あり唐揚げにもバリエーションがあったのだが,今ではこの二つに集中されたようだ。それで正解と思う。

今回は唐揚げ2個セットライスなしを注文。これで910円也。

さて,そのラーメンだが,これはもうね,超個性的だ。少なくとも関西エリアではこれに似たものを知らない。ある意味,天一の方向性を極限まで追求 した形と言えるかもしれないが,豚骨と鶏骨をどろどろになるまで煮溶かしたポタージュのごときスープである。おそらく煮くずれて粉々になった鶏の小骨であ ろうが,何やらいろんな粒々が入っていて,やや灰色がかったそれの見た目ははっきり言って悪い。(ちょうど鮭缶を骨ごとすりつぶして水でのばすとこんな見 た目になるんじゃないだろうか。)この見た目と次に述べる独特の味と食感でちょっと…と敬遠する方も大勢いよう。

しかし一口すすると意外にもすっきりした味なのだ。いや,すっきりと言ってもコラーゲン的ねっとり感が口中にまとわりつき,舌触りもざらっとして まるでコンビーフを溶いたかのような「肉」そして「骨」を感じさせる他に類を見ない濃厚な味なのだが,おそらく豚骨より鶏骨がメインなのだろう,脂っこさ は皆無,臭みが無く滋味深いのである。日本料理の「すり流し」に近いかもしれない。卓上におろしニンニクがあるが入れる必要は感じない。

麺も独特だ。手打ちパスタのごとき粉感ともっちり感。これがこの濃厚かつ品のよいスープによく絡む。味わい,テクスチャーとも申し分ない。具は青 ネギ,メンマ,煮豚だが,この煮豚もとろとろで,どこまでが豚でどこからがスープなのか判然としないほど。いや大げさではなく。夢中ですすってあっという 間に鉢が空になる。ちなみに細麺も選択できるようだが未経験。

そしてこの店のもう一つの主役が唐揚げだ。若鶏のもも1枚を(おそらく)1/2にカットした150g近くあろうかという代物が,この店における 「1個」である。これがもう,皮ぱりぱりの中身ジューシィので美味いのなんの。そのままでも美味いがカウンターにある塩,胡椒,カレー粉,パプリカをお好 みで。また注文時に頼むとマヨネーズを付けてくれる。調子に乗って頼みすぎて食べきれなかった人には持ち帰り用の小袋もある。

ラーメン単体は680円,唐揚げ1個と中ライス(といってもいわゆる大盛りクラス)が付いて200円増し。半個だと150円,2個だと280円増 し。ライスは小,小小,なしと加減できて,それぞれ20円,30円,50円マイナスという良心価格。ラーメンには替え玉もある(新たに煮豚が付いてく る!)。つい頼みすぎるとえらいことになるので,一人ならまずは1個セットライスなしあたりがよいでしょう。お腹をぺこぺこにしてGo!

(今回写真はないが,食べログに沢山上がっているのでご覧あれ。ただし昔の写真はあまり参考にならない。それからこの店のラーメンは断じて「豚骨ラーメン」ではないので,ともかく先入観を持たずopen-mindedな心持ちで(笑)トライしていただきたい。)

http://r.tabelog.com/kyoto/A2603/A260303/26002155/

増田 新

京都工芸繊維大学

大学 機械工学系・教授・ものづくり教育研究センター兼務

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