研究室配属、悩ましいですね。しかし研究室配属は皆さんにとって「なぜこの大学で学んでいるのか」を再確認し「研究を通じて何を学びたいか」を問い直すよい機会だと思います。以下に本研究室への配属に興味を持つ学生向けに、研究指導方法、研究指導に対する私の考えなどを記します。
研究指導は学生を締め付けるタイプのものではありません。どちらかというと緩いですし基本的に来るものは拒まず去る者は追わずです。新しいことを学ぶことが好きで研究テーマに知的好奇心を持って取り組める人に来て欲しいと思っています。それぞれが自分の好奇心を原動力として能力を発揮し、私とともに誰も思いつかなかったような新しいことを成し遂げる、という、collaborativeな関係を望んでいます。
研究活動を通じて獲得して欲しい能力は次のようなものです。
学部:
修士:
博士:
上述のように隔週でミーティングがあり、進捗報告を聞いた上で議論し次の方向性を決めて次回までにやってきてもらう、の繰り返しによって指導を行います。このとき毎回必ず何らかの結果を持ってくることが大切です。結果を、と言うと「うまくいった」報告を求めていると思うかもしれませんが、そうではありません。あなたが前回以降取り組んだことが「具体的に」読み取れるような材料を持ってきてくださいということです。「やってません」は論外として「うまく出来ませんでした」「わかりませんでした」でもいいのです。ただしそれだけではだめで、「こんなことをやってみたがこんなふうに失敗した」「この資料を読んでいるがこの部分が わからない」など、あなたが困っている内容の具体的な報告をしてくださいということです。それがあって初めてアドバイスが出来るのです。
ここのところを理解していただかず「もう少し時間下さい」「やってるんですがうまくいきません」ばかりをうっかり繰り返していると、気がつけばもう12月という恐ろしい事態に陥るかもしれません…
また、きまじめなタイプの学生が陥りがちなのが「うまくいかないのは自分の能力が足りないせいだから、もう少し勉強して力を付けてから相談すべきだ」という考えです。これは一見誠実な態度のように見えますが、実はプライドに囚われているだけなのです。うまくいかないと思っているが本当にそうなのか、自分に足りないと思っている能力や知識のリストは本当に過不足ないのか、今悩んでいる部分は本当に重要なポイントなのか、あなたの認識と指導教員の認識は異なるかもしれません。それに、うまくいかないのは指導教員のアドバイスがまずかったからかもしれません(…よくあることです)。教員との定期的なコミュニケーションによってこれらを軌道修正し、認識を共有しながら研究を進めていくことが大切だと私は考えています。
テーマはその年に予定するテーマの中から希望を聞いた上で決定します。4回生であっても基本的には独立したテーマに取り組んでいただきます。研究の遂行上同カテゴリのテーマを手がける院生と組むことも多いですが、そうでない場合もあります。
テーマ別で部屋を二つに分けていますが、みんな仲良くやっているようです。テーマが違っても互いに口を出し合い教え合うような関係を作って欲しいと思っていますが、割とそのような雰囲気になっているように思います。卒業後も含めてお互いに高め合うような仲間になると良いですね。